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くじびき勇者さま 2番札  著:清水文化

くじびき勇者さま 2番札 誰がお荷物よ!?  
著:清水文化  絵:牛木義隆   HJ文庫

まず、イラストの入れる場面とその内容との一致具合がすごい良い。
表現もいいね。モノクロ絵がしっかりしていてとても好評価。

(注:以下は清水文化信者(正確には気象信者)の感想です。)

これの一巻同様、とても読みやすくなった清水文化です。
薀蓄だらけなのに物語が比較的普通に進む。
個人的にはバトルを最後だけギャグで決着つけるというのが薄かったのがいい。
しかも最後大真面目でギャグかと思いきや、世界設定を現実での科学発展を
もとにきっちり作っているから実はギャグでなくそれが現実にも大真面目、という。
それがもう楽しいね。まあ絵的にはどうしたってギャグですが。
…そういえば一度もあの剣で何かを切ってないような。


というか薀蓄が、特に前半はすごいすごい。
相対論まで発見してるのがどうやったんだろうどう検証したんだろうと、
そしてまたその中で信仰との関連でちくりとやったりがこれもなかなか。
あとその街周辺の地形からの気候説明あたりはもう地形や状況推移を
想像するのが楽しくて楽しくて。地球型の惑星を想定しているから
緯度によって東風になるところと西風と季節による変動と、
山の高さによるフェーンの影響度と湿度の影響とさらに気候と植生との
関連がきて季節による色の変化と、もう絵を思い浮かべるのが楽しくて楽しくて。

ただ、社会に対しての薀蓄に混じる皮肉さがちょっと気になりました。
他が態度が真ん中か薄い偏りな薀蓄であるゆえに(まあ科学だしね)、
少しでも色がつくと相対的に目立つんですよね。

個人的にはそれでも薀蓄全般が楽しくてしょうがないのだけれど、
薀蓄をあまり気にせずストーリーを重視する読み方をする人に
とってはこの薀蓄の量はうるさく感じてしまうんじゃないかな。
後半部はメイベルが薀蓄ひかえめで、
薀蓄でなくなかなか可愛い方向で主張してくれるんですが。


行き先をくじで決めているのに順調であることは、
一つは物語という最高のご都合主義のもとでは
実際にくじをひいてると書かれた以上批判し難い。
いかに低い確率でも起こらないわけではないから。

もう一つ、くじびきで決めることを思考放棄とするくじに批判的な主人公への、
くじが最良の結果を導いているという皮肉的な描き方。
あの世界はくじびきで決めることを教義とする宗教が
最大勢力であることの迂遠な説得。
このあたりは深読みして楽しんでるだけとも言えます。


ああつうかもう、最後の絵がかわいいなぁ。

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