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カオス  著:ジェイムズ・グリック

カオス 新しい科学をつくる  著:ジェイムズ・グリック
訳:大貫昌子  新潮文庫


まあ、いわゆるアメリカの科学啓蒙書なので
科学の発展とそれに関わった人の業績や振る舞いを活き々々と書く、
伝記とノンフィクション小説との混合のような体。
それゆえカオスってなに?と知りたいだけならあまりお得ではなく、
しかしなんとなく凄そうと思って読むのなら楽しめる本。
理解しやすいその筋の単語を簡単に知ることができるのも得。

一般向けなのでそれでよいし、読んだ後になんか重要っぽいもの
なんですねと思わせることができたなら成功なんですけどね、
こういう本は。
そういう意味で、個人的にはこの本は成功してると判断しました。


以下抜粋など。

P.121 前提として多くの場合線形的であると思い込んでしまうが、

実際には解くことのできる行儀のよい線形系のほうがよっぽど異常なのだ

P.359 シミュレーションを扱うので自戒として

シミュレーションというものは、現実をできるだけ多数の固まりにわけていく
ものだが、いくらたくさんに分けたからといって、決して充分とは言い難い。

これにひきかえ現実の流体は、それこそ骨組だけにけずってしまった一ミリしか
ないようなセルでも、自然界の無秩序の、自由自在な運動の可能性を
すべて持っているのだ。それは全く意外なものを内にひそめているのである。

P.360

だから本物の物理学者なら、シミュレーションを調べるとき、
どのような現実が取り残されているか、
どんな意外さの可能性を避けて通っているかを考えてみる必要があるだろう。

コンピュータ・シミュレーションというものは、直感の育成や計算を
洗練する助けにはなるが、純粋な発見を生み出すものではない、と。
とにかくこれが実験家の信条というものだろう。

P.391 カオスおよびコンピュータ利用への数学者の立場の一つとして

厳密さは絶対必要ですが、今この時点で厳密に証明できないからといって
何かを放り出してしまうという考え方は、支持できませんね

P.470 完璧なモデルとはつまり現実そのものである

ところで選択はいつも同じで、モデルをもっと複雑に、
もっと現実に即したものにするか、
あるいはもっと扱いやすく単純なものにするかということにある。

P.471

その目的はともかく、地図もモデルも世界を模倣しようとすればするほど、
単純化しなくてはならないのである。

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