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卒業  著:重松清

卒業  著:重松清   新潮文庫

一番よくわからなかったのが「卒業」で、でも一番記憶に残ったかもしれない。

「ゆるす/ゆるされる」という構図になっていることや
タイトル通りに卒業の話であることはわかるのだが、
どうもすっきりしない。

4編の短編からなる作品集だが、読み通して感じたのは
意外な結末を導くタイプではなく、タイトルや読んでる途中の
感触から「こういうエンドかな?」と予想されるものに
近い終わりになるということ。予想されていながらもそういう終わりに
きっちり導け書き表せること。

むしろ自分がそういう展開を期待して読んだのかもしれないが。
だから、一番類型的な結だったとも思う「あおげば尊し」は泣けた。
逆に、「卒業」は卒業であることはわかるのだが
話の感触はよくわからない。他3つ、特に最後の「追伸」で血の繋がりを
強く見せられた影響もあるのか、救われる感がよくわからない。
いや、「追伸」の母親との関係からすれば自殺した会話のできない
父親との別れに決着をつけ乗り越えたことになるのか。
親と呼べなかった相手を親と認めるまでの話としてまったくの類似にも
なりえるか。

途中から泣けることを過度に期待して読んでたかな。
この卒業というタイトルはよくあらわしていると思う。
そしてやはり「卒業」が自分の中に一番残ると思う。
家族の立場より友人の立場が強く残る。

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