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時載りリンネ! (1)

 時載りリンネ! (1) はじまりの本  著:清野静 絵:古夏からす  角川スニーカー

 本を読んで腹が膨れたらなぁと思ったことはありますが、しかし本を読むことでしか腹が膨れないとなるとなかなか厳しい。そんな本を読むことでしか腹が満たされず、200万字読むと1秒時間をとめることができるという時載りと一般人による、主人公とヒロインともに小学6年生なお話。

 でもこの主人公の語りは12歳ではありえねぇ。これが実は時載りの時間認識の違いによる影響であって、プロローグのはミスリードでリンネがほぼそのままでも主人公の年齢はもっと上になってる何年か後、とかそういう時間の流れの違いを使ったものかと思ったらそういうわけでもないようで。

 まあ確かに、これで主人公が同じ年齢でなかったならより強くろり小説ではあった。もっとも、なんというか、全体にどこか枯れたものがあって、ヒロインがねこみみねこしっぽ装着したりゴスロリってたりな姿を念入りに描写したり脚の形がどうとか胸の成長がとか魔法少女変身とかがあるのだけれど、なにか乾いてる。たとえば長谷のような、一瞬でその場面の雰囲気を変質させるような念入りで執着と真性が入ったロリ描写とは感じなかった。設定上主人公の年齢をいじっても、明確にろり小説なのになぜかロリコン大喜びとはならない、といった話に収まっていたんじゃないかと思う。

 とまれ、その乾きがなかなか好み。著者本人の読書量が実際けっこうなものなんだろうと思うくらいに文章はきれいに読みやすくまとまっている。小説の見せ方としての文章という面からどうかは別にして。また、時載りと時砕きを扱うことによる、彼らの特性としての時間軸のなさも展開にうまく溶け込んでいて、そういう流れる時間に対するスタンスといったものが好きな身としては設定のなかのキャラの立ち位置を眺めるだけでも楽しい。本の存在がそこにあって、本の名前が出てきた上に、たまにではあるけれど、本の内容に関連した知識・薀蓄がでてくるのもおもしろい。

 ただ話が、おおよそ好みではあるのだが問題解決というか最終のところが、いわば悪人をやっつけるスタイルになってしまうところが多少残念ではある。また妹がどうしてそこにいるのか(なぜ今その世界に存在するのかという意味で)、時載りにできることできないこと、主に時載り同士の争いでなにが決定打となるのかといったあたりはよくわからないところがあった。


 真性でないっぽいという雰囲気を感じるとはいえ、ルウと妹の存在もありだ。ルウはリンネと一緒にゴスロリってたりコスプレしてたりツンデレ百合な気を感じる(妄想するともいう)のが素敵。リンネと並んでねこすたいるなあたりはすばらしかった。そのシーンのはじめ、このねこみみねこしっぽは時載りに関してなんちゃらの効果を持っていてとか言いだしてリンネにねこみみ装着して、さらに尻尾つけるのはショーツに直接のほうがと言い出してリンネとともに着替えに突入のあたりは、こいつ騙しじゃなくて本気で言ってたのかと驚嘆した。妹はその存在に対する疑問が先に来るのだが、無言であることを要請されるゆえの無言での主人公に対する行動はなかなかに感じるところがある。

 そんな描写が在るということは、描写から真性をいまいち感じないといいはしたが、実は真性かもしれない。長谷を基準に考えているから真性でないと捉えているだけで、実は作者は真性なのかもしれない。少なくともゴスロリ方面になんらのフェチさがあるような気はする。Gの姿も関わりがあるような気がする。Gが脚立の上に立ち書架の整理をしている場面に主人公が出くわし、Gを見上げたらスカートの裾から黒いストッキングに包まれた脚が見えて主人公がちょっと赤面したというあたりだ。ぱんつが見えたのではなく、黒ストッキングに包まれた脚が見えて赤面というのがポイントだと思う。ロリーでゴシックにきめてるリンネとルウのぱんつが見えた時は服の色は正反対なのに下着の色は同じなんだなと冷静に考え込む主人公なのに(少なくとも、そうとだけ描写される主人公が)、黒ストッキングに包まれた脚がスカートの裾からちらりと見えて赤面である。そう描写されるのである。このあたり、何かフェチっぽさや真性っぽさがあるような気がする。作者のなにかがあらわれてるような気がする。というか、こんなことに注目してる自分のほうがよっぽどいろいろ真性なんじゃないかという危惧に襲われたのでこのあたりで言及はやめる。でも赤面した主人公にはよくわかってるじゃないかと頷く。

 2時間ほどかけてこんな感想(特に後半)書いてる自分の時間の使い方を考えることにする。まずは本を読んでも腹がふくれないことを少々残念に思いながら飯を食おう。

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