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3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代

 3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代
 著:城繁幸  ちくま新書

 タイトルは釣りだと思った。もともとwebで連載していたときのタイトルは内容をあらわしていたと思うが、新書のタイトルはこの著者の他の書(若者はなぜ3年で辞めるのか?)の想起やタイトルで読者をひきつけるためであって内容を反映しているとは言い難いんじゃないか。

 労働者と価値観とを扱った書、かな。若者、大学生に向けたものであって、実際その年齢層が読むべき本に思う。

 タイトルから素直に連想する、3年で辞めた若者がどのようになったか、第二新卒でどっかいったのが何割とか自殺したとかフリーターになったとか、そういう調査を行ったものではないし、そういう面を期待して読んでも得られるものはあまりない。

 しかし、自身の足でたってる人たちの考えは聞ける。企業より個人を意識している人たちの言葉がある。“昔”に対して“今”の価値観がどうであるか、その例を意識することができる。それらの人は大概が転職やなんやを経験して現在の位置にいるために、一応3年で辞めた若者がどこへというタイトルと関連してなくもない。企業の一員という立場でなく、個人という立場の労働者の言葉と感じた。

 キャリアパス、自身の市場価値、何ができるか何をやってきたか、という言葉が頭に残り、どう生きるつもりなのかを考えさせる。

 という内容で終始かと思いきや最後に筆致が思いっきり変わる。
 革新的な思想と労働者の立場という意味では左翼に分類される人が、現状の既得権益にしがみつく層(日本のマスコミへの意識が相対に強め)と政府に責任をなすりつけるしか能がない馬鹿左翼とを批判する書に変わる。

 タレント議員なんてつくって政治家は頭が悪いという印象をつくるよりはこういう人を政治家にすればいいのに、と思った。こんな熱意ある人が在野で、頭悪そうな、なんの熱意を持って国政に乗り出すかわかんない知名度だけの人が政治家になるなんて日本は終わってる。そりゃ国家一種なんて難関受けたエリートが政治家を馬鹿にして日本を見放して既得権益守るためだけの組織になるのもうなずけるというものだ。…というふうなことを思う若者がいるということを理解してる。

 閑話休題。
 労働者へと目を向けて作られている新書なのだから、必然政治にも目が向けられる。気に入ったのは、「問題は~~のせい」で終わらないことだ。現状がこうであって、問題がこれで、このようにすべきであると主張と将来展望を述べてあることがよい。言葉だけでなく、データも適宜用いていて、「だからそれは」にうなずきやすい。

 自分にはそれが“正しい”かどうか断定できる知識も経験もない。しかし、言葉を認めて考える気にはなる。

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