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愚者のエンドロール

 愚者のエンドロール  
 著:米澤穂信  角川文庫

 人が死なないミステリで人が死ぬ話をどう持ち込むか。なるほど、自主制作の映画の謎解きとしてなら、確かに物語上人が死なないが死ぬ話だ。

 入須というキャラの描写がすごいな。単に入須がでる時の本人の描写だけでなく、物語としてその人となりを表しているのが実におもしろい。そして終盤に語らせた言葉がまさに青春ではないか。努力して努力して、それでも届かない相手が、自分は運がいいだけだと言ったなら、言われたならばいろいろ通り越して滑稽になるもやむなしだ(発言した当人にとっては至極まっとうのセリフとしか言えなかったりもするのがなおさらに)。次の巻でも関わってくるこの心理の持ち出しがおもしろい。

 主人公の性格に対して、それをどのように動かして行動させるか、今回はその部分に苦味と狡猾さと暖かみを感じておもしろかった。

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