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ねこ耳少女の量子論~萌える最新物理学~

 ねこ耳少女の量子論~萌える最新物理学~
 著:竹内薫、藤井かおり 漫画:松野時緒 イラスト:松野時緒

 たまにはネタものに。500円だったしね。

 しかし残念ながら(当然ながらというほうが適当だろうけれど)、漫画というのもあるけれど、「萌える」とかタイトルについて表紙にイラストついてしかしながら中身がすごいしっかりとしたモノ、というわけではない。

 素粒子方向の量子力学の教科書の「はじめに」、または「第一章」や「序章」において書かれる全体の概括あるいは導入部をさらに解きほぐした、という感じかな。これで量子力学復習しようかなんて用途には役立たないが、日本人ノーベル物理学賞とったのかすげーところで素粒子ってなに量子力学なに?という人への導入としてはけっこういけます。

 量子力学においては数式以前に古典力学とのイメージの違いでまずひっかかることが多いので、「なんとなく」古典とは違うということを把握するのにもよい。その意味で、量子力学(または量子化学)の講義がこれから始まるって学部1,2年生がさらっとネタに読むのも悪くないかもしれない。まあ、理物の素粒子系以外の学生は量子力学はやっても素粒子や相対論まではやらない気もするけれど。量子力学やってるところは物理系に限らずやまほどあるけれど、素粒子やってるところはけっこう限られる。

 さて、今回量子論を描く媒体とした漫画の部分についてはなにか意外に萌えた。が、猫耳って要素いらないような。読者は最初から猫耳キャラだってのを知っているわけだが、猫耳ありで描かれるコマ自体がまずかなり少ない。主人公の少年の前で猫耳さらすのも少ないってか、最後のほうでちょこっと。ねこ耳という記号を持ち出してはいるけれど、「萌え」に対してその記号を有効利用してるとは言いがたい。絵と量子論と関係ない漫画の構成による萌えであってねこ耳はほとんど関与していない気がするなー。とはいえ漫画としてだけ読んでも意外にいけたのはびっくりだ。

 竹内薫さんはアメリカでは盛んな(日本でももうちょっとは増えるべきな)啓蒙的科学書をよく書く人という印象を持っているのだが、その啓蒙を日本的に適応した形といえるかもしれない。漫画だったり萌えるとタイトルについてたりするけれど、導入としてはなかなかどうしてしっかりしていると思う。まあ、参考文献は啓蒙的なものに偏ってるから、大学生でこれから勉強したいという人は参考文献がさらに参考としてるものを見ないとだめな気もするけれど。物理(素粒子)がおもしろいという思いを深める意味ではよい参考文献と思う。この本の目的はおもしろさを伝えることだろうし。

 これで量子力学をガチに復習してみるか、なんて完全ネタ本扱いする気で買ったわけなんだけれど、意外によかった。

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