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あまがみエメンタール

 あまがみエメンタール
 著:瑞智士記 絵:鍋島テツヒロ  一迅社文庫

 おー、えろいな。爛れている。見事にただれた二人の関係と依存で、主人公が異常性を認識した上で快楽を感じているあたり、えろいね。それだけで終わっていたのなら何を言うでもなくえろかっただけで終わるのだが。

 小中高一貫の女学院という、変化しない環境で続く変化しない世界。日常に異物が入ることはあれど、本質的な変化はもたらされない。このただれた日常を百合だなと眺めるにはおもしろいのだけれど、変わらない日常にどのような変化をもたらすか、どのように変化を拒絶している「変わらない」世界に変化をもたらすか、変化の導入と変化の過程はどうもなー。

 ゆっくりと、しかし存外あっさり過ぎる日常に対し、変化の導入と解決がなんとも一瞬で、そしてそれまでの雰囲気からあまりに乖離した行動で解決されるのがどうにも浮いてる。いや、それでもその解決自体がおもしろければそれでいいのだが、その行為は手段として描かれるだけだし、校医さんの性格豹変がしらけるのなんの。

 なんともアレな例えだけれど、できがいまいちな日常系えろげ。日常描写はけっこういいなーと思ってたら突然にシリアスになって解決してエンディング、数年後をちょっと流して終わり。日常とシリアスとの出来事のつながりがいまいち釈然としなくて、登場人物もなにか別人であるかのようになって。いっそ何も変化をもたらさずそのままでもよかったのにと言いたくなる。それならそれで不満を述べるのは確定であろうけれど。

 変化のきざし自体は途中で与えられているけれど、次第に変わっていく何かなんて感じることができず、変化に対する人物の対応にさめてしまい、どうもなーとなってしまった。日常と変化を受け入れた最後の姿とはありだと思ったのだけれど。

 変化しない世界と関係を描いたものは物語に終わりを迎えさせることが難しいんだなーと思ってしまう話でありました。
 まあしかし、幽霊列車とこんぺい糖のひとってことで買ったという補正をかけると、相変わらずでありましたと期待通りの範疇に収まってはいるのです。

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