カテゴリー「HJ・GA・MF・SD」の30件の投稿

感想:桐咲キセキのキセキ 著:ろくごまるに

 桐咲キセキのキセキ
 著:ろくごまるに 絵:渡会 けいじ  GA文庫

 なんとろくごではないか!
 ということで、発売に気づいたときには既に10月だったような読み終わったのはしばらく積んで熟成させた末の今日だったような。そんな過程あれどとまれろくごまるにの新刊を読み終わり。

 表紙からしてチェーンソーぶん回す少女と少年の話なんかなと思ったらそんなの序章だけでしたよ。描写と会話がまさにろくごであってろくごの香り。完全シリアスな詰めの話かと肩に力入ったらすかされる。ついつい頭を使わされてしまう一方でとぼけた会話が楽しい。なんと普通っぽい少年と少女が主役でもしや過去の光景の少女はキミなのではになって甘酸っぱくなんてありえるのですか、異能でもSFでもなく身体能力と頓知なバトルで突き進むのかいなとテンションだだあがり。

 んが、最後ではちょいとノーマルから逸脱。悪魔ってのがただの言葉じゃなくて普通でない世界に突入とは思わなんだ。それでも駆け引きとテンポはあいかわらず。もしや隠された能力覚醒でばーんなんてありふれた、しかしろくごがやると天地がひっくり返りそうな展開があるのやもともやもやしたがそんなことはなかった。理由と理屈が楽しいのぜ。

 さて、露骨に語られない存在たちのために世界がまだ確定してなくてこの物語と世界をとらえ切れないが、一つはっきりしていることもある。封仙でないろくごを読んで自分は楽しめるだろうかと不安多量であったが、杞憂として吹き飛ばされた。大丈夫。以後もろくごを追っていける。

 そうだ。イラストについても。挿絵は文体と会話の気の抜けようとしては合っているけれど、緊張感としてはいまいちあってないかもねと思ったな。ただ最後の一枚のような場面はいい感じ。かわいいとも凛々しいとも美人とも表現に合う言葉が浮かばないが、あの一枚と表紙はいいねと思った。男とあとはバトルのような緊張感はまだ、あっているという感はいまいちかなというところ。

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くじびき勇者さま 9番札 誰が大元帥よ!?

 くじびき勇者さま 9番札 誰が大元帥よ!?
 著:清水文化 絵:牛木義隆  HJ文庫

 まさか再登場するとは思わなかった。しかし、それよりも戦争が再びとは予想しなかった。

 人とドラゴンの戦争とはなあ。年代と兵器を限定してのファンタジーな生物との戦いのシミュレーションを楽しそうにやってる人たちはたまに見かけたりするが、まさにそれが行われるとはね。いや、正直いうとけっこうおもしろいなと思うが。ただ、人死にの点では相変わらずきっちり冷静に計上してるのがなんとも。しかし、兵士をドラマの主演としてではなく数字の一つとして扱うのがむしろプラスなのだろうか。戦争による被害や損失を数えることを避けていないのに悲惨さは薄い。数だけでなく、敵国のトップを奇襲で消すなんて作戦を成功で描くとか出来事としてえぐいこともやってるのに。

 そしてなぜかFF12を思い浮かべる。「歴史を人の手に取り戻すのだ!」ってね。12のシドは最強にかっこよかった。。は、おいとくとして、今後は大陸同士の戦争に正面から乗り出すのだろうか。戦力として西のドラゴンと東の人との戦争にするよりは、西のドラゴンと西の人との戦争にするのが、そうでなくとも西で内戦おこさせて迷惑な君主に消えてもらう、そこまでいかずとも力をそぐ方向が無難だろうし。作中で時間をそこまで経過させて人物描くのかなとも思うし。数年後になったらメイベルさん子供の一人二人できかねないし。さて。

 そういえば、ナバルへのくじびき至上主義者だからという可能性の提示は終わりを見据えてのことなんかな?最初のころを思い返せば可能性もなにも至上主義者であったけれど。

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くじびき勇者さま 8番札 誰が宇宙人よ!?

 くじびき勇者さま 8番札 誰が宇宙人よ!?
 著:清水文化 絵:牛木義隆  HJ文庫

 あれ、アリスがいる。東方厨乙。というレスがついたりしたんだろうなぁと思ったり。去年の10月1日が発売日だから、およそ半年前か。

 そういえばメイベルさん色惚けしているのだったと読んでから思い出した。冒頭からの惚けに戸惑ってしまった。色惚けメイベルさんににやけるとは予想外。技術の発展に関しては相変わらず楽しく、こちらでにやけるのは予想内。天体観測から物理定数が定まることに興味と興奮を示す人物を描くとか、楽しすぎる。技術の発展と普及の引き起こす変化、社会への取り入れ方が描かれるのがいいね。新しい知識、技術に対する楽しさを感じさせてくれる。

 写真や映像技術の出現とあわせたゴシップ、捏造情報の拡大に対して、オチとして消費者による私刑で終わるとやはりなにか気分がすっきりする。情報を喜び踊ることを望んでいた消費者側が手のひら返しかとひねてみたくもなるけれど、しかし加害者側というか、黒いけれどグレーで真っ当には手を出せない相手にやはり手がでず終わる話というのもそれはそれで望まない。しかし、風刺という意味ではずいぶん丸い書き方するようになったなー。

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くじびき勇者さま 7番札 誰がくじびき女王よ!?

 くじびき勇者さま 7番札 誰がくじびき女王よ!?
 著:清水文化  絵:牛木義隆   HJ文庫

 ここまで理想を語れるというのがすごい。科学技術により生活が豊かになる、その過程を徹底的に肯定して描く様子に、科学の楽しさを伝えたいのだというかつて読んだ(気がする)著者の言葉を思い出す。

 技術によって、メイベルによって社会が平和で豊かになっていく過程をひたすらに肯定的な面から扱い、あまりに一途で、作者の書きたいもの、肯定したいものへ、現実どうこうでなく理想としてのその形に、同意と楽しさを覚えてしまう。

 ありえないよと言いたくなる。ありえないけれど、科学技術が、科学技術の発展のもたらすものとして「そうであって欲しい事柄」を徹底的に肯定して描かれると、その通りで、いわゆる理系の一人としてはこういうところを目指したいのだと思えてしまう。

 まあ、物語としてはしかし、微妙。メイベルがあまり動くわけじゃなく、ひらめいたひらめいた作ってみてだったり整えられた舞台に降り立ったり。でも、自分で作った舞台じゃないなー、ドラマじゃないなーって感じが。メイベルの話を読みたくて、でもメイベルさんの話って感じがしないなーと。

 ところでこれ、続くっぽい気配があるけれど、どうなんだろう?いや、姉がちょこっと出たりクラウと婚約確定までなってナバルが本格的にかわいそうなことなって、これで終わりですなんてないだろうが、続くとしたらまた逃亡?

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クダンの話をしましょうか2

 クダンの話をしましょうか2  著:内山靖二郎 絵:朝未  MF文庫

 ああ、これは確かに。少なくともMFじゃ売れないだろう。とか言ってみる。

 地雷という意味じゃない。個人的な好みではあるが、とても良作。もう静かに優しく、哀しく。じわりじわりと穏やかな時間が積み上げられて世界のなかに入っていく。

 けれど、優しすぎる。静かすぎる。最後の別れがわかっていて、なのに静かすぎて素直すぎて、優しい穏やかな話からの反動がゆったりとしみわたり過ぎる。

 ハーレムな萌えものじゃないからというのもあるし、MFじゃ購入者のカラーと違いすぎるんじゃないか、とかね。MFに限らず売れないような気はするけれど。あらをねじ伏せるほどの強烈な魅力があるわけでもないし。

 でも、こういうのは好きなんだよ。かなしさに繋がるとわかっていても、静かでやわらかな魅力を感じてしまう。

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くじびき勇者さま 6番札 誰が初代大統領よ!?

 くじびき勇者さま 6番札 誰が初代大統領よ!?  著:清水文化 絵:牛木義隆  HJ文庫

 楽しい状況を作ったなぁ。いびつな技術発展を許容する世界設定にして、科学技術の発展によって世界が変わる様をある一瞬に集中させている。その、世界が変わっていく様子、新たな世界が切り開かれていく瞬間の時代としての躍動感がいいね。この瞬間をメイベルによって描写していることが、科学技術への素朴な楽しさを引き立てる。

 技術だけでなく、政治と国民、市民性の描写もおもしろい。このシリーズの終わりを感じてしまうような、くじびきからの脱却宣言かのような共和国設立しかり、市民の反応の入れ方が律儀に率直なことしかり。言葉や反応への解説を抑えて、そのまま入れているあたりが、うざさでなく興味深さになった。

 キャラクターによってつくられる物語というよりも、技術発展がつくりだす歴史の新たな歩みてきな、ある一時代の情景を見ているような、そんな感覚になる。

 しかし、実は相当にえぐいと思う。社会批判とか作者の立場どうこうでなく、血なまぐささてきな方向で。戦争にも、兵器にも技術発展の恩恵がもたらされる。まさにその情景。具体的な描写はおおむね避けられているとはいえ、戦争において双方の死傷者が加速度的に増加するその時代でもあることを感じてしまう。

 本当に、律儀に素直にある一時代を描いている、そんな感覚。

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PiPit!! 〜ぴぴっと!!〜 2

 PiPit!! 〜ぴぴっと!!〜 2  著:和智正喜 絵:シバユウスケ  MF文庫j

 軽くあっさりな百合もいいもんですね。物語としても感情描写としても重さはほとんどない。けれどガチ。普通にあっさり読めて人物に重い葛藤もなく同性だからどうこうと悩みにはまることもなく、すごく普通に好きで悩んでというのがいい。

 男キャラよりむしろ主人公がうざいと途中で思ったりもしたけれど、全体には特に悪く思うことなく軽くあっさりと楽しめた。「言葉に出すこと」での相思相愛な確認がいいですね。まだ言葉に出して伝えてないからという最後の行動はいろんな意味ですばらしいです。

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たま◇なま 〜生物は、何故死なない?〜

 たま◇なま 〜生物は、何故死なない?〜  著:冬樹忍  絵:魚  HJ文庫

 数ヵ月ほど積んでたHJの新人の本。

 主人公の、特に精神的な成長ものとしては実に正統な物語でした。初期の後向きな主人公に対し、こいつうざっ、と思う程度がなかなか調節されてる感じで、うざさに負けてごみ箱にたたきつけるほどまでいかず、むしろこの後どうなるのかと気になる程度のうじうじ自閉描写。最後にはきっちり前向きになっていて、なんというかまっすぐな物語として好印象。

 硅素生物ということでSFネタなのかと思っていたけれどそうでもないような気がした。高校の化学で音波は違うくないかとかのりくっつけただけで共鳴しないのはほんとにそうなのか、あれだけ強烈なら多少の減衰でもゼロにはならないだろうとか、発生周波数の調整とかできるならすぐ対応できたんじゃないのとか、宝石にわずかでものりに覆われてなくて大気に露出してる部分があったならだめで、つまりは額との境界もきっちりのりつけてないとだめでということは気づかなかったのもおかしな話だろうとか、なんとなく疑問に思ったりも。

 でも、まあまあおもしろく。


 ついでに自分の答えとしては、だって10分しかそこにいちゃだめだといわれたら、そこがどうなってるか仕組みやシステムを知りたいし、そこでできることをとりあえずいろいろやってみたいじゃないか、となる。

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クダンの話をしましょうか

 クダンの話をしましょうか   著:内山靖二郎 絵:朝未  MF文庫

 「神様のおきにいり」の人の別シリーズ、ということで買ってみた。

 優しくいい話なのに悲しい。最後クダンが予言をして“死んで”しまうというスタイルなので、設定からして話の最後には切なくならざるを得ないともいえる。ただ、こういうのはけっこう好きだったり。落ち着いた話でバトル分など一切なく、またMFなのにハーレムじゃない。

 モデルは2chか学校裏サイトか、匿名になれる掲示板上での自身の存在と現実(の学校)での自身の存在とを扱っている。扱い方としては、なにか教育的で、設定としても話としても秀逸というわけではない。ただ、なんとなくわかるよとうなずける範囲な感情や行動が堅実に描かれている印象で、鼻で笑えるような大きな乖離に冷めるというわけではない。

 件や鵺といった要素、なにかやたらにしぐさがかわいいというか表現が萌える、というのが今回も存在しているあたりは「神様~」の人だなと。というか帽子をぽむぽむって表現がなんかたまんない。

 ただちょっと物足りないかな。3つの中編のうち、最初の1つ読んだ時はこういうのすごい好きだと思ったんだけれど、3つ読みとおして全体に対してとなるともうちょっとほしいなぁという感想に。バトルや大きな騒動を解決して話を終結というスタイルじゃないのはすごい好きだし、バトルや騒動の方向を期待しているわけじゃなくて、もうちょっとほしい。

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秋津島 三 神ながら人ながら

 秋津島 三 神ながら人ながら  著:鷹野祐希 絵:水上カオリ  GA文庫

 打ち切りというわけでもない、のかな。ただ正直なところ前半はずいぶん苛立たしく思いながら読んでいた。主人公の煮え切らなさ、理解を拒む様がいらついてしょうがない。後半は進む足取りがしっかりし始めたから、イラつくこともなく読めたのだけれど。

 なんか、陰湿な話だったなぁ。一人の巫女の悩んで迷って巻き込まれた物事の本質を知って受け入れてという精神的な成長や神の取扱いはおもしろいところがあるのだけれど、どうも陽性ではありえない。でもまあ巫女武狭というのは確かか。命を狙った対立と争いであることを表にだして描くと陰湿にならざるをえないか。それだけでもないだろうけれど。

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